地域特産自ネギの需要動向と地域間蕗差

摘要

近年，野菜の生産では生産者の高齢化と担い手不足あるいは異常気象などが誘因となって，市況は高値安定に推移している．しかし，生鮮野菜の消費の減少傾向が続く中で輸入量が急増しているため，産地でほ様々な市場対応に迫られている．鳥取県の特産である白ネギを取り上げると，鳥取県産自ネギは，大阪中央卸売市場（以下大阪市場という）において約40％のシェアを占めており，永年にわたり出荷量第1位の座を守っている．しかし出荷量の減少期である夏場においこは，北海道産や東北産に遅れをとっている．このため鳥取県では，品質向上と出荷量増大を図るとともに，地域振興をかねて中山間地域における夏ネギの導入を試みている．産地における供給体制を整えるためにほ，まず，その作目に対する需要構造を明らかにする必要がある．すなわち，戦略作目として夏ネギを導入することによる生産拡大の可能性について，全国の生産と消費の実態に則して数量的に確認する必要がある．