山間地域における農林業の維持と発展－平成の市町村合併下で山間地域の農林業は自立できるか－

摘要

山村地域の農業は，国際化と地方分権の2つの大きな流れから生活防衛することが急がれており，農業収入と農外収入の減収につながる政策が着々と進められる中で，社会機能の崩壊防止と経営限界に達した山村農林業の再生に向けた取組みが必要となっている．経済基盤が脆弱で条件不利な山間地域の農業は，規模拡大による個別経営の日立を困難とし，農村社会における定住と共生の社会基盤を維持するためには，安心して集落で暮らせろ仕組み，安定して農業できる仕組みを地域，集落を単位として再構築することが不可欠であると思われる．