「大規模借地経営体」による借地選択と農地集積効果の計測

摘要

将来労働力の確保が困難になることが予想される 大規模な借地経営体では，農地集積を行う過程で作 業能率の向上が課題になる.農地の集積は，連担化された，大規模な区画が最も効率が良いが，実際に は圃場の零細性ゃ圃場が飛び地になることによる分 散錯圃性によって，農地集積による経済効果として の規模の経済性が大きく低下している. 今後担い手の高齢化による農地の流動化がさらに 進み,農地の集積を行う過程が重要になつてくるが， 地価が高く借地による規模拡大が今後も主流である ことが予想される.しかしながら，農地の集積は， 集落や地域との信頼関係などに規定されることが多 く，どのような過程で農地が集積されるのかについ ては，地域の農業構造や経営者の意向によつて地域性が見られる[9].平野は，東海地区の農地集積の 動向について明らかにした上で，静岡県中遠地区の 水田の流動化が1980年から2000年にかけて急速に 進hだとしている[10].