環境保全型農業への動き

摘要

最近の農業政策の動きの一つに，一環境保全型農業への転換がある。 この動きを加速してきたものの一つに，OECDでの貿易自由化論議など新たな国際関係からの働きかけがある。 OECDでの論議は，農業関係者の話題として頻紫に登場するようになり，新聞等でも詳しく報道されるようになっている。 ECDの「貿易と環境」に関する論議では，競争力の強い農業生産を展開している農産物輸出国は，農産物貿易をゆがめる農業への補助金の削減．撤廃を求め，補助金は農業の集約度を高め,農業生産が環境に対して及ぼしている負荷を増す方向に働くと主張している。 一方，日本，欧州等競争力の比較的弱い農業を展開している国は，農業生産が地域社会にもたらしている公益的機能や環境保全機能の重要性を指摘して，自国の農業を守ろうとしている。 現在，OECDでは，幾つかの分野について，とりまとめ国を決め，農業の環境影響評価のための指標を作る作業を進めている。