農村地域における住民の「集落外への外向きの姿勢」と「都市住民との交流効果」との連関ー集落活性化と住民の定住意識向上につながる交流効果を視点としてー

摘要

近年農村地域においてみられる、デリーンツーけムに代表される郡市農村交流は、都市住民にとっては、都市にない豊かな自然やその中で生活している人とのふれあいを通して癒し効果が得られる余暇活動として評価されている。一方、農村住民にとってもま、経済面だけでなく精神面や情報面でのやりとりを来訪者と行う中で、自分達の住む集落や生活の良さを再確認し、それらに対する自信や愛着を深める効果がある。また、自治会や生産組織といった複数の主体がかかわる交流活動では、住民どうしのつながりや協力体制を築く効果も認められる。 さらに、各地域に存在する伝統文化や自然等の地域資源を活用した交流活動にかかわることで、自集落の持つ資源の良さを再確認し、またそれを見ている若い世代は、その価値を学ぶことができる、つまり若い世代の育成と継承の場としても機能している。