コミュニティデザイン.ワークショップにおけるジェンダーの視点

摘要

農業および関連分野における女性の進出にはめざましいものがある。 わが国の農業就業人口に占める女性の割合が50％を超えて既に久しい。 また，「農山漁村女性の役割を正しく認識し，適正な評価への気運を高め，女性の能力の一層の活用を促進する」注1）ことを目的とする『農山漁村女性の日』（3月10日）の記念行事は2007年で20回を数える。 しかし，1985年のいわゆる男女雇用機会均等法（1972年勤労婦人福祉法），1999年の男女共同参画社会基本法などにより，女性の社会進出や社会的地位向上が進展しつつあるとは言え，未だ，統計的に見るならば男女間の格差は大きい。 例えば，これは都市，農村を問わない国全体の数字であるが，社会的地位に関しては，議員や経営者に占める女性の割合10％，国会議員の同部合7％などである。 女性の社会的地位向上の先進地と言われるヨーロッパはおろかアジア諸国と比較しても低い注2）。 ちなみに，農村.農業に関連した分野では，全国の女性農業委員の割合4．3％（2005年），女性の農協役員の割合1．5％（女性の農協正組合員の割合15．5％）（いずれも2004年）という状況である注3）。