スギ厚板嶽ダボで接合した合わせ材の力学的性能（第1報）スギ厚板及びこれを2枚並列させた合わせ梁のエッジワイズ曲げ性能

摘要

本研究では，スギ厚板及びそれを2枚並べて木ダボで接合した合わせ梁各20体に対してエッジワイズ方向の曲げ試験を行い，それらの曲げ性能について検討した。 主な結論は，以下のとおりである。 1）厚板のエッジワイズ方向の曲げヤング係数（MOE）は，フラットワイズ方向のMOEから十分な精度で推定可能であった。 2）MOE及び材縁部節径比は，厚板の曲げ強さ（MOR）や最大応力時のたわみに大きな影響を及ぼすことが確認できた。 3）合わせ梁のMOEは，それを構成する厚板の几のEの平均値とほぼ一致した。 特に厚板のMOEの分布を考慮して厚板を組み合わせることで，MOEのばらつきが極めて小さい合わせ梁を製造することができた。 4）合わせ梁のMORは厚板のMORに対して平均値では下回ったものの，下限値としては同等の値を示した。 これらの傾向は比例限度応力（σ_p）についても同様に認められた。