絶滅危惧種ャッガタケ卜ゥヒの成熟種子胚からの 不定胚形成細胞および不定芽の誘導

摘要

ャッガタケトウヒ(Picm koyamae)は日本固有の針葉樹である。現在，絶滅危惧種に指定さ れており，約1000個体が確認されているに過ぎない。絶滅危惧種の保護には組織培養が有効な方 法の一つである。そこで，成熟種子を用いた組織培養における2， 4-ジクロロフエノキシ酢酸（2， 4-D)とベンジルァミノプリン（BAP)の効果を調べた。その結果，3 mu Mの2， 4-Dを単独添加 したLepoivre (LP)培地では，不定胚形成細胞（PEMs)様の細胞が誘導され，1 mu Mの2，4-D とのBAPを組み合わせて添加したLP培地では，不定芽形成細胞が誘導された。さらに， 不定芽形成細胞を明条件下で培養したところ，不定芽の伸長が認められた。