都市緑地の保全と創出手法についてパリ市の公園緑地と線化

摘要

2007年度の短期在外研究の機会を頂き，同年7月14日から10月13日まで主としてパリに滞在し，同市の公園緑地と緑化の事情を視察するとともに，パリ市公園緑地局が公表した資料を収集し，あわせてヒアリングを行った。それらをもとに最近の公園緑地整備事業内容を把握しつつ，緑地の保全と創出についての将来課題について知見を得ることができた。 その内容を報告する。フランス国は世界の庭園史において，英国，日本国それに伊国とともに独自の様式を確立し，世界の庭園デザインに大きな影響を与えたことが知られている。 例えばvista（通景線）に代表される左右対称の遠近法による空間構成手法が，庭園のみならず都市スケールでのランドスケープ形成の常法として世界中で用いられていることがこのことを示している。 さらにEUの環境政策についても，フランスは積極的にその具体化に向けたプランを作成し，実行に移している。