gG－ELISAを用いた馬ヘルペスウイルス1型および4型の血清疫学調査

摘要

馬ヘルペスウイルス1型（EHV－1）と4型（EHV－4）の糖蛋白質gGを抗原としたenzymelinked immunosorbent assay（gG－ELISA）を用いて、1998年12月から2000年3月に発熱を呈しペア血清を得たJRA栗東および美浦トレーニングセンターの競走馬と、1999年と2000年の1月から3月にペア血清を得た生産地の1歳馬における馬鼻肺炎の血清疫学調査を行った。トレーニングセンターでは、冬期にEHV－1感染の流行が認められた。 さらに冬期以外においても少数例ながらEHV－1感染馬が見いだされた。 EHV－4感染は季節に無関係に散発的に認められた。 gG－ELISAにより、補体結合試験，では識別できなかつたワクチン接種馬においても、EHV－1あるいはEHV－4感染馬が検出された。生産地では、多くの馬にEHV－4感染の既往が認められるとともに、EHV－1感染を示す馬が少数ながら認められた。 今臥gG－ELISAを用いることにより、従来法では明らかではなかった詳細なEHV－1およびEHV－4感染の血清疫学調査が可能となった。