アルファキサロン、メデトミジン、ブトルファノールによる サラブレッドの全身麻酔の評価および呼吸循環機能に及ぼす影響

摘要

アルファキサロン、メデトミジン、ブトルファノールによる全身麻酔の評価および呼吸循環機能に及ぼす影響について、サラプレツド6頭を用いて検討した。メデトミジン7.0 yg/kg、ブトルファノ 一ル25 mug/kg、ミダゾラム50mug/kgの前投与後にアルファキサロン1.0mg/kgを投与し、麻酔導入を行つた。維 持麻酔はアルファキサロン2.0mg/kg/h、 メデトミジン5.0 Mg/kg/h、ブトルファノール30 mug/kg/hに よって行つた。十分な麻酔深度の確認は歯肉部への電気刺激により行った。全てのサラブレツドにおい て、アルファキサロン投与後1分以内に倒馬することが可能であつた。導入スコア一は5頭でG 5 ( 5段 階、5が最良）であり、1頭でG 4であった。60分間の維持麻酔中の平均心拍数は35.8 士 2.6回/分、平均 呼吸数は4.7 土 0.6回/分、平均動脈血圧は129 ± 3 mmHgであった。電気刺激により体動が認められ たサラブレツドは、一頭もいなかった。しかし、2頭において一時的な無呼吸を観察した。覚醒のスコ ァ一は2頭でG 5 ( 5段階、G5が最良)、4頭でG3であった。これらのことから、今回使用した投与量の アルファキサロン、メデトミジスプトルファノールではサラブレッドに対して十分な深度の麻酔を6 0分間維持する事が可能であった。しかし、2頭においては一時的な無呼吸を認めたため、デマンドバ ルプなどの何らかの呼吸補助装置を準備しておく必要があると考えられた。