牛呼吸器病症候群（BRDC）とその対策

摘要

牛の呼吸器病症候群（BRDC：Bovine Respiratory Disease Complex）は，ウイルスおよび細菌等の病原微生物とストレスなどによる免疫状態の変調が複雑に絡み合って発生し，牛の産業界で最も経済的損失の大きな疾病（症候群）として知られている。 Cravensl）によると，BRDCは輸送，群編成，そのほか環境要因による牛へのストレス感作、IBR，RS，PI3，BVDなどのウイルス感染、マンへミア、へモリチカ（Mannheimia haemolytica：以下，Mh）の肺における増殖およびロイコトキシン（以下，LKT）産生、パスツレラ、マルトシダ（Pasteurella multocid：以下，Pm），Histophilus somni（旧名：へモフィルス、ソムナス），Arcanobacterium pyogenesなどの二次～三次的細菌感染により，結果として複雑な混合感染による呼吸器疾病が成立するとしている（図－り。