大動物における繁殖技術の進歩 1-広がる超音波検査法の役割－

摘要

クローン羊ドリーは，最近の繁殖医学における（画期的ではあるがり技術進歩の成果のひとっに過ぎない。 この最新繁殖技術は，はたして日常の臨床に応用されるのだろうか。そのほとhどが応用される，というのが筆者らの考えである。 本稿は，3部から構成されている論文の第1部であり，すでに実用化されている最先端技術である，様々な超音波検査法について述べる。クローン羊ドリーが世界中で新聞紙上をにぎわせてから，一部の最新繁殖技術が一般の人々に知られるところとなった。 これらの技術が一般診療で使われているのを，我々はいっ頃見られるのだろうか。 この3部からなる論文で，生産者や獣医師がもっ，大動物の最新繁殖技術に関する疑問に答えるつもりである。 これらの疑問とは次のようなものである。 超音波検査法を行い，牛の胎子の雌雄鑑別を行うのは誰か。 どの雌牛に行うのか。 馬の精液や授精卵の凍結保存はどの程度成功するのか。 患畜が死亡した後，精子や卵子を回収できるのか。雌雄を識別した精液は，いっになったら利用できるようになるのか。 ペットのクローンは作出できるのか。