乳房炎コン卜ロール1:バルクタンク乳モニタリングについて

摘要

酪農家は長い間乳房炎と闘い，多くの乳房炎治療プログ ラムやプロトコールが考えられてきた力、依然として乳房炎は酪農場における3大疾病のひとつであり続けている。 それが「乳房炎は古くて新しい病気である」といわれてい る由縁である。乳牛の疾病のほとhどは泌乳量を減少させる。しかし， 乳質も低下させ.生産性に大きく影響を与え.酪農場の収 入を減少させてしまうのは乳房炎だけである。したがって， 乳房炎は非常にコストのかかる疾病である。そのコストの 内訳は，薬剤コストが20%であるのに対し，廃棄乳コスト が60%であると試算されている。搾乳した乳を捨てるので あるから，廃棄乳は農場にとって非常に大きな損失である。 廃棄乳コストを減少させるには，乳房炎治療時の抗菌剤使 用期間を短くして廃棄乳量を最小限に抑えることである。99%の乳房炎は乳房内に細菌が侵入して発生するので. 効果的な治療を行うためには乳房炎原因菌のモニタリング が非常に重要となる。それにより，農場における乳房炎原 因菌の状況を把握することができ，さらには乳房炎コント ロールプログラムを作成するうえで非常に役に立つデータ となるのである。