肉用未経産牛における妊娠喪失と無発情の予測因子として超音波検査による生殖道の計測と骨盤の計測

摘要

季節繁殖を効果的に行ううえで，繁 殖性の優れた未経産牛を選択すること ができれば，繁殖性の低下が起こる前 に対策をとることができる。生殖道のスコアリング（RTS)は，未経産牛の年 齢，体重.ボディーコンディションス コァ（BCS)と関係なく無発情や妊娠喪 失を予測することができ，繁殖性を高 める効果的な手段である。しかし，発 情周期や牛群に占める未経産牛の割合 によって，RTSの精度に影響が出る。 黄体の存在を超音波検査で調べること は春機発動の開始時期の証となり，季 節繁殖の結果を予期することができ る。卵巣の大きさは，胞状卵胞の数(AFC)と関係があり，言い換えれば, 発情周期の影響を受けずに卵胞の残存 数や繁殖性の関係を示唆できる。最大 卵胞直径は子宮，子宮頸管，膣の直径 と関係があり，未経産牛において，最 初の排卵の10週前に黄体形成ホル モン（LH)パルスの頻度が増加する。本 研究の目的は.繁殖期前にどの部位を 経直腸超音波検査するか，あるいは骨 盤計測を行うことで季節繁殖の肉用未 経産牛の繁殖性を予期できるかを明ら かにすることである。