血液検査脳脊髄液検査

摘要

大動物における神経疾患の鑑別診断については，主要な 臨床症状および神経学的検査から病変部位を絞りこむこ と，また臨床症状の経過から病気の種類を絞りこむことを これまで解説してきた。問診から身体検査に至る過程は臨 床診断上，大動物領域だけでなく，医学および伴侶動物領 域においても大変重要な事項であり，最も重視されなけれ ばならないことはこれまで解説してきたとおりである。一方で，医学領域および伴侶動物領域では.コンビユータ断層撮影法(Computed Tomography ： CT)や核磁気共 暍画像法(magnetic resonance imaging ： MRI)などの咼度 画像診断が普及しつつあり，脳波検査などの生理学的検査 法，また神経疾患マーカ一などの生化学的検査法の研究も 進歩しており，神経疾患の鑑別診断や確定診断に大きな威 カを兖揮している。大動物領域における高度画像診断につ いては.別途回を改めて解説することとし，今回はそれ以 外の神経疾患の臨床検査法として.血液検査および脳脊髄 液検査の意義と実際の方法について概説する。