誘発分娩と自然分娩での，白子数と哺乳中事故率の比較

摘要

一般的な北米の養豚場の白子の割合は，およそ5-15%であり，哺乳中事 故率は10-15%である。白子の原因 として，感染症以外で最も多いもの は,分娩時低酸素症である。これは， 分娩時間の延長や難産に起因する場合 が多い。生きて生まれた子豚も，低酸 素症に陥っている場合には，その程度 によって，体温調節能，初乳を飲みは じめるまでの時間，生存率に影響が出 る。低酸素症の子豚は同腹の子豚に比 ベて，弱く，活力が低い。白子を減らすためには，分娩を監督 し，タイミングを見計らって助産を行 うこと力5勧められる。母豚の苦痛を和 らげ，子豚の低酸素症と分娩中の事故 を減らすためである。分娩を誘発する プロスタグランジン製剤(PGF(2alpha)) を用いて，相対的に分娩開始時間を調 節することにより，人の目が行き届く 時間帯に分娩をさせて管理を集中さ せ，子豚の事故率と母豚の体調不良を最小限に抑えることができる。