抗生剤とPGF_(2lpha)ひの投与が乳牛における子宮の正常性と繁殖成績に与える影響:無作為化臨床試験

摘要

子宮炎や子宮内膜炎は，乳牛で分娩 後に多い子宮疾患である。子宮炎は分娩後21日以内に全身症状，異臭のあ る赤褐色の膣分泌物により診断され る。子宮内膜炎は，通常，分娩後21 日以降に細胞学的な子宮内膜の炎症像 (CYTO)や臨床的な化膿性膣分泌物 (PVD)により診断される。PVDは子 宮内膜の炎症の必須要件でないため， "臨床的"子宮内膜炎を診断する際に 用いられている。子宮腔は，妊娠中， 無菌状態にあるが，分娩後，90%以上の 牛で細菌感染がみられる。子宮炎の症 状を示さない分娩後10日以内の牛から， Streptococcus ノ禺菌やStaphylococcus , 菌が多く分離される。一方，子宮炎の 牛からは大腸菌群やArcanobacterium 属菌が分離される。子宮内に大腸菌が 感染した分娩後7日以内の牛では，多 核白血球（PMN)に影響し，PVDが みられる。セフチォフルは，子宮炎に 効果があるといわれている。持続型セ フチォフル（CCFA)は，呼吸器病や 趾間腐爛の治療薬として知られている が，子宮炎の予防効果についてはほと hど知られていない。