地方自治体の取り組み一鹿児島県－

摘要

我が国における獣医師の養成は，現在，国公立大学11校，私立大学5校の計16校において実施されている。6年間の修業期間を経た獣医師の卵で，獣医師法の定めによる獣医師国家試験に合格する者は，年間約900～1，000名（合格率約80％程度）である。　以前は，大学から排出される獣医師たちは，大動物を中心とした産業動物の診療獣医師や畜産、公衆衛生行政に携わる行政マンとして就職する学生が多かった。しかし，近年，獣医系大学では女子学生が占める割合が高くなったことも要因のひとつだと考えられるが，人と同伴する小動物の診療に携わる獣医師が多くなっていることから，産業動物分野および公務員分野における獣医師の確保が非常に困難となってきている。産業動物界では獣医師の高齢化が進行しており，特に農業共済組合などにおいては，国が措置している修学資金を活用し獣医師の確保に努めている。∵方，公務員獣医師については，地方自治体の財政難に伴い処遇改善対策が向上してこなかったことも，獣医師確保上の大きな問題となっている。