BSEに罷患した老齢牛における異常プリオン蛋白の生化学的分類

摘要

日本で初めてBS巨が発生した2001年頃に比べると，近年は国内でのBSEに関する報道も少なくなり．人々の関心が薄れてきたような感じがするのは私だけであろうか。ところで．欧米の獣医英雄誌をみると，現在でもBSEや羊のスクレイピーについて．多数の論文が発表され続けている。そのなかから今回は，生化学的な分異によればBSEの異常プリオンの型がひとつだけではなくゴ　これまでとは異なる型が存在するという新知見に基づいて，スイスのBSE羅患牛を研究した論文を紹介する。この論文の序論では．プリオンに関する難解な分子生物学的内容が分かりやすく解説されている。異常プリオンの型により，感染性も異なるようで，大変興味深い。