牛コクシジウム症の現状と対策

摘要

Eimeria属原虫の寄生により発症する午のコクシジウム症は，日本国内のみならず世界的に広く発生が認められ，特に若齢子牛の下痢症のなかで，最も重要な原因のひとつとして知られている。水様から粘液便，極期では粥状の粘血便など様々な臨床症状を呈し，時には巣死の原因ともなるが，その症状の程度には，寄生種や催患牛の免疫状態などが影響すると考えられる。また，雁患牛の腸管上皮はコクシジウム原虫の侵入、増殖により損傷を受け，そのことにより他の病原微生物などによる二次感染を起こしやすくなり，感染耐過した場合でも，その経済的損失は大きいと考えられている。