胸部体表に腫瘤形成が認められた 黒毛和種育成牛の1例

摘要

牛における体表の病変としては，皮膚に変化が認められる感染性および非感染性の皮廣炎と，体表に腫瘤状の隆 起がみられる腫瘍性病変がある。腫瘍性病変では，パピ口一マウィルスの感染に起因する乳頭腫，メラニン芽細胞 の新生や皮膚細胞の増生から腫瘍へと進行する黒色腫，リンパ腫の一種である皮膚型白血病などが報告されている。 今回，黒毛和種育成牛において，胸部体表に腫瘤形成を認めた症例について，検査所見および治療処置について報 告する。