CTと表面マーカー補助下による馬の蹄内内固定の臨床例における有用性

摘要

CTは診断のためのッ一ルとィメ一ジする方 が多いと思われる。しかしながら，前号におい てCTの疾患予測に対する有効性の論文が紹介 されたように，CTには診断以外にも応用できる 領域が存在する。ヒトゃ伴侶動物においては， CTで得られた画像を用い，手術のアプローチ部位の決定や，手術の術前シミュレーションなど へ活用がなされている。本稿では，通常のレン 卜ゲン検査だけでは詳細な位置関係の把握が困 難な蹄骨骨折,遠位種子骨骨折の内固定に対し て，CTを用いて術前計画を実施し，また，術後 の評価に応用している報告を紹介する。日本でも宮崎大学，鹿児島大学，帯広畜産大 学において産業動物にも応用可能なCTが導入 され，日本中央競馬会では断層画像の撮像が可 能なO-armが導入された。今後，日本において も馬の難症例に対するCTをはじめとした断層 画像の応用が普及することを期待する。