コゥノトリの巣から発見された鞘翅目と鱗翅目昆虫

摘要

2009年に.斤庫県豊岡市に設置されたコウノ卜リの人工巣塔の巢を，2010年に同市の電柱に造られたコウノトリの自然巣を調査したところ，鞘翅E"iコガネムシ科のァカマダラハナムグリとシラホシハナムグリヒ口スコ力f::ト）ゥスプ科のフタスジシマメイガの発生を確認した.本論文コウノトリの巣に生息する昆虫相の，鳥類の巣からのシラホシハナムダリの，および日本において鳥類の幽hらのフタスジシマメイガのはじめての報告となった.甲虫とヒロズコガの幼虫は，巣内の腐や餌の食べ残しなどの動物質を，メイガは腐植を摂食していたと考えられた'甲虫の幼虫はコウノトリの巣に多数生息するため，相当量の巣内堆積物を分解していることが推察された. ァカマダラハナムグリは最近猛禽類の^と密接な関係が指摘されていたが，コウノトリの巣とも関係が深いことが判明した.近年のァカマダラハナムダリの減少は，猛禽類の減少と関連するだけでなく，その ほかの動物食性、雑食性鳥類の減少や動物質が豊富な野積み厩肥や堆肥の減少などといつた里山の総合的 な変化との関係が推察された.