離乳子豚の感染症：臨床現場での診断手順と対策

摘要

養豚場を診る仕事を始めて16年，病気の様相は随分と変わってしまった感がある。免疫不全に起因する複合感染症は，発病機序の複雑さと対応の難しさで生産者や獣医師を悩ませる。 表面に見えている疾病だけを追いかけると必ず失敗する。解決のためには，その背景にあるものをよく理解する必要がある。 事故の多い農家が存在する一方で，疾病の原因ウイルス（細菌）が存在しながらも，ほとhど被害が見られない農家が多々存在するのも事実である。 その差はいったい何か。 我々は，管理獣医師として疾病の背景にあるものを注意深く観察しなければならない。 また，同じ問題を抱える獣医師間で積極的に情報を交換することが，解決の選択肢を増やすことにつながるものと信じる。