黒毛和種の肺炎多発哺乳牛群に対する血液プロファイルを応用した改善例

摘要

黒毛和種の肺炎多発晴乳牛群に対して問題点摘発の目的で細菌学的検査，ならびに経時的に血液学的検査および免疫学的検査を実施し，以下の成績を得た。 1）肺炎発症牛の鼻腔スワブおよび未使用の敷料（オガクズ）から薬剤耐性の高いKlebsiella Sp.が検出された。2）血液学的検査から，血清給コレステロール量および血糖の低下が認められた。 3）免疫学的検査から，CD3およびリンパ球幼弱化反応の低下が認められた。 4）以上の成績に基づいた環境衛生および飼養管理指導を実施した結果，これらの各検査項目は正常な備に回復し，肺炎発生率は指導前の24．4％から4．1％に低下した。 以上から，血液学的および免疫学的検査は，肺炎多発牛群の問題点摘発，改善指導効果の判定に極めて有用であった。