留萌地区NOSAlにおける乳牛の周産期疾病について

摘要

周産期疾病，特に第四胃変位多発牛群に対し，牛群検診（代謝プロファイルテスト）を実施した。 飼養給与診断から車乞乳前期乾草のみ給与でエネルギー不足および蛋白不足になり，第一胃機能減退を起こし，食い込みを落としていたものと考えられた。 また，乾乳移行期も低泌乳用TMR5kgと乾草飽食と栄養濃度が低い給与をしていながら，分娩後，一気に高泌乳牛用TMRを飽食給与され，急激に濃厚飼料給与景が増え，これが消化障害（ルーメンアシドーシス）を引き起こして，第四胃変位の発症につながっていると考えられた。 また，泌乳期用TMRは，濃厚飼料割合が多く，繊維含量（ADF，NDF）が下限状態であった。 また, 血液検査より，乾乳牛の血液血糖値低下，遊経脂肪酸上昇，無機リンの低下，牛群全般にァルブミンの上昇などが認められ，飼料給与診断と同様の結果が示唆された。 そこで、TMRの配合の仕方について指導したが, 改善されず，以後やや第四胃変位の発生が減少してきたようではあるが，根本的な改善にはいたらなかった。