ブランド形成がもたらす想像以上の付加価値: 商品力と販売スタイルの確立が鍵

摘要

鶏卵そのものの販売では価格はたかが知れている。そこで、今回は、ちょっと視点を変えて鶏卵がもつ付加価値、ブランドの可能性を考えてみよう。 事例として、まったく養鶏業界とは関係のない、しかし、鶏卵を巧みに販売している静岡県三島市「伊豆、村の駅」の「たまごや」を選hだ。 「たまごや」の説明をする前に「伊豆、村の駅」について、少し触れてみる。 開店したのは今年の一月二十四日、敷地は三、〇〇〇坪、そのうち売場（ここでは『お買い場』という）は六〇〇坪、大きくは地元の農産物直売所棟、海産物直売所棟、たまごや、園芸棟の四つからなる。 このうち農産物直売所が最も広く、農家と委託販売契約をした野菜、果物直売所のほかに、いちご屋（ジャムの販売）、ミルクファクトリー（牛乳、チーズケーキなど）、パン工房、お茶工房、米屋、豆腐屋などが地元の食材を加工製造する。 海産物直売所では金目鯛、地魚、干物などのほか、土日にはマグロ解体ショーが行われる。 地元市民と共に伊豆半島から帰る観光客をクーゲソトにしているためだ。 飲食部門としてうめぇーら食堂、井屋九兵衛、たまごやの三か所にそれぞれ五〇～八〇席ある。 経営を手がけているのは観光物産卸売大手の東京宝、㈱である。