フルクタンと植物の耐雪性植物体中で機能性に書むフルクタンが耐雪性発現に関与

摘要

寒冷地におけるコムギなどの冬作物は，寒害や雪害などの被害を受け，多雪年など，年次によっては著しく低収となる．生産現場では，耐性品種や防除薬剤の利用により対応しているが．安定生産を阻害する寒害や雪害の防除は冬作物の宿命的諌葛である．これら障害のうち雪害にういては，PythiumやTyphula, Fusariumなどによる雪寓病と百数十日にも及ぶ暗黒、多湿、0°Cとされる積雪下での生理的な衰弱が原因とされる．このような雪害に対する生理的な側面について，植物体中に蓄積されるフ′レクタンが密接に関与することがわかってきた．フルクタンとは，片端にグルコースをもつフルクトースの重合体であり，越冬性のイネ科植物やユリ札、キク科植物などにその存在が知られ，また結合様式や重合度などに変化があり，植物体中での機能が注目される糖質である．フルクタン自体についての詳細は成育に譲ることとし，ここではフルクタンと耐雪性との関連や役割について紹介したい．