スギ花粉抗原エピトープ導入米のアレルギー予防効果経口で免疫寛容を誘導できる可能性．待たれる花粉症緩和米の実用化

摘要

スギ花粉症は現在日本人の20％が雁思しており，国民病と呼hでも過言でない．この花粉症が最初に報告されたのは1964年であることから，わずか40年の間に急速に患者数が増加したことになる．さらに，予備群は若年層を中心に多く，国民全体で50～60％に及ぶことから，今後増加の一途をたどることば確実である．花粉症の治療には，抗ヒスタミン，ステロイド剤といった薬物を用いた対処療法が主として用いられてきた．唯一の根治的に治療ができる方法は減感作療法と呼ばれた抗原特輿的免疫療法であり，花粉抗原そのものを少しずつ皮下注射で投与することで，体を抗原に慣れさせるものである．しかし，2～3年程度の通院が必要なこと，注射による背痛，時には死を招くアナフィラキシーショックなどの副作用といった理由から，この治療法を用いる患者数は少ない．そこで現在，減感作療法にとってかわることのできる，簡便で安全性の商い根治的な治療法が望まれている．