青果物流通の変化とマーケティング戦略

摘要

わが国では公的、準公的機関として設立された卸売市場は、それゆえに法令による強い規制がかけられてきたが、卸売市場法制定以降は、例外規定を根拠に規制は緩和されている。 その規制緩和を推進したのは、首都圏を中心に全国展開を図る大型量販店であり、卸売市場そのものであったと言える。しかし、この規制緩和の方向は生産者あるいは消費者にとって有効であったかは疑問である。 産地ブランドは一部形成されたが、徐々に量販店ブランドに吸収されてきた。産地の価格形成への影響力はきわめて弱くなっている。 このままでは、青果物産地は一層脆弱なものとなろう。農協だけでなく新たな生産者集団はそのマーケティング戦略を早急に構築すべきである。 では、そのマーケティング戦略の方向としてどのようなことが考えられるか。