まりひめにおける夏季 - 収穫までの栽培管理

摘要

「まりひめ」はJA全農えひめにおいて、クレメンテインに南村20号を交配して育成された1月～2月上旬に出荷可能な品種である。樹姿は直立性で頂芽優勢が強く、発生する枝葉は強い。葉は細長く、やや巻いているのが特徴である。種子は基本的に持つことが多く、数個から数十個と園地によりバラツキが多い。隔年結果性は、着果状況によるが、小玉生産を行うと強くなる。裏年や結果初年度（樹冠拡大の、ため）の着果抑制、及び摘果過多などによる大玉果は、果肉内の水分含量が少ない粒化症※となり商品価値を著しく損なう。果肉先行型であり、果実内容は、12月下旬で糖度11度台、クエン酸1．1～1．2％台となるが、着色は5～7分と遅い。糖度はマルチ栽培や、樹上越冬により容易に上昇するが、成熟期の温度が低いと減酸が進まない傾向にある。樹上や貯蔵による果皮障害の発生は少なく、果皮は強い。ややじょうのうが硬いが、食味は良く食べやすい。