温州ミカン産地の生産実態と振興対策: 最近の喜穴共選における結果習性と販売額の動向

摘要

温州ミカンの大産地として名高い愛媛県八　　幡浜市では、平成15年～18年度の4カ年間に夏季の猛暑や小雨による干害、夏から秋季における台風害、さらに晩秋から初冬における収穫前後の寒波や積雪の来襲などによって、大被害を受けることがありました。とくに平成17年12月中旬の寒波と積雪による寒害では、おびただしい落葉と緑枝の枯込み、そして樹皮の凍傷害などが考えられないほどに発生しました。このような自然環境による突発的な被害が発生した要因のひとつに、果実収穫前後における樹勢回復が十分でなかったことが挙げられます。なお、被害を受けた樹園地では、平成18年度の春先における着花の減少や不揃い、幼栄の肥大不足が多く確認できました。その結果として、平成18年度における各系統の温州ミカンの収穫量は近年まれに見るほど不作となり、大凶作と言って良いほどの結果を記録しました。このような生産量の激減傾向は温州ミカンの専業経営にとって致命的であったと考えてもおかしくありませh。