モモハモグリガによる落葉被害がモモ樹の生育に及ぼす影響

摘要

モモハモグリガ被害にあって落葉したモモ樹‘あかつき’の落葉程度と翌年の着果数の調査を行った．1）モモハモグリガによる落葉被害は刈り草マルチした区で大きく，7月下旬のモモ葉の葉中窒素含量が高いほど落葉程度が大きかった．2）5月下旬にマルチした刈り草が速やかに分解し，7月下旬における土壌中の無様態窒素含量は刈り草マルチ区で増加していた．3）落葉程度が大きいほど翌年の着果数は少なくなったが，同じ落葉程度でも葉中窒素濃度の高かったマルチ区のほうが着果数は多い傾向を示した．4）マルチした区では無マルチ区よりも9月の葉中窒素濃度が高く，落葉程度が高いという特徴があったが，着果数では大きな差異は認められなかった．5）7月と9月のモモの葉中窒素濃度の差が大きいほど着果数は少なくなる傾向にあった．