静岡県の茶園から採集したチヤノキイロアザミゥマに対する薬剤の殺虫効果

摘要

チヤノキイロアザミゥマScirtothrips dorsalis Hoodは， チヤをはじめ，カンキッ，ブトウ，カキ等多くの農作物 を加害する重要害虫である。チヤでは，本種に加害され ると新芽は生育が遅延し，ひどい場合には新芽の生育が 停Itすることがある7)。本種の年間の発生回数は6-8 [と多いため7),本種を対象とした防除回数は多くなる 傾向があり，薬剤の防除効果の低下事例が報告されてい る'ト5)。薬剤を用いて効果的に防除を行うためには，本 種の薬剤感受性を定期的に調査し，その結果に基づいて 薬剤を選択し，散布のローテーションを組hでいくこと が求められる。そこで，2010, 2011年の2年間にわたり 静岡県病害虫防除所の巡回調査地域の中で.チヤノキイ ロアザミゥマの発生が他地域に比べ多い静岡県牧之原地 域の茶園から本種成虫を採集し，薬剤の殺虫効果を調査 したので，報告する。