'牛コレステロ一ル代謝異常症の発症が疑われたァポリボタンパク質B遺伝子変異へテロ個体の1症例

摘要

5力月齢のホルスタイン種雌育成牛が、削瘦および間欠性の水様性下痢を呈した。総コレステロール濃度が7mg/ d/と著しい低値であったため、コレステロール代謝異常症（Cholesterol Deficiency ： CD)を疑ってpolymerase chain reaction (PCR)検査を実施したところ、アポリポタンパク質B遺伝子変異へテロと診断された。症例の一般 状態は経過観察中に安定し、翼便性状は徐々に回復して有形便となったが、栄養状態は改善されなかった。変異 ヘテロ個体であっても、CDに類似する症状が発現することが確認された。変異へテ口個体では総コレステロ一 ル 濃度の低値により、環境変化や感染症に対する抵抗性が低下している可能性が考えられた。