中国における遊牧民の定住化施策に関する考察 一新蛮ウイグル自治区における事例分析一

摘要

定住化する以前の遊牧による牧畜業は，降雪および寒波などの自然災害によつて直接大きな被害を被ってきた。このような自然状況に大きく依存する牧畜業のあり方は，その発展にとって大きなネックとなっていた。 同時に，人口増加にともない家畜頭数も増加したため過放牧状況がみられ，草原における草資源の不足を補うために，広い範囲で自然荒漠葦原を開墾し人工的に飼料作拡大を図る対応が必要となった。 ·丹椁耍募菊邸─藢m地を移動するという遊牧民の生活. 生産はきわめて厳しい状況に面しており，彼らの生痛福祉の向上を図ることも必要であった（註1）。