アジアVigna属植物遺伝資源の多様性とその育種的利活用（第二報）新しい分類体系の構築とその特徴

摘要

アジア下旬乃α属植物には，作物であるリョクトウ，ケツルアズキ，ツルアズキ，クレオールピーン，アズキの他，豊富な近縁野生種が知られている．近縁野生種が持つ遺伝的な多様性を効果的に収集，保全，利用していくためには，その分類群に，どのような特性を持った種が存在し，どのような地理的範囲に分布し，どのような生育環境に適応し，どの程度の地域的遺伝変異を有しているのかなどの情乱すなわち近縁野生種に対する理解を深めておくことがきわめて重要である（Bothmer and Seberg，1995）．種を定義し，どのような地理的分布を持っているのかを明らかにする学問分野が分類学であるが，筆者らが研究対象としたアジア鞠卿属に関する分類体系には，いくつかの問題点があった．第二報では，その問題点と生体標本の解析に基づく著者らの新しい分類体系について述べる．