ブラマプトラ川流域地域における農業生態系と開発に関する報告1：バングラデシュ、ドッキンチャムリア村乾季稲作における近年の技術変容

摘要

はじめに－問題設定－（1）稲作に関するマクロ数字の変化：バングラデシュでは、1960年代に導入された稲作における、高収量品種（HYV）と化学肥料を用いた「緑の革命」は、現在、稲作生産のマクロ数字を見る限り、国内米生産をまかなうという初期の目的を達成しつつある。 1961年～2003年の毎年のバングラデシュの米の生産量、輸入量、備蓄量、輸出量の推移から（FAOの食糧バランスに関する各国別統計資料http://www.fao.org参照）、1990年以降、生産に対して輸入量の比率が相対的に減っていることが顕著に認められる。 2000年の統計では、白米換算で生産量2510万トン、輸入45万トン、備蓄193万トンの不足、輸出0．1万トンと、統計上はじめて米の輸出が認められ、以降、2001、2002年と3年間連続して0.1万トン程度の輸出が計上されている。