表面変更の理由となった秘めたる魅力

摘要

荒れた幹肌が醸し出す重厚な迫力や鉢古さ。この鉢持ち込みの古さはI朝一夕で得られるものではなく、盆栽としての素養の高さを物語っている。しかし現状の樹姿を見る限り、この素材の魅力を充分に発揮しているとは言い難い状態である。素材は樹冠部と右に長く伸びた懸崖枝の二ブロックに分かれている。ともにかなりの太味があり、立ち上がりと比べても見た目にそれほど変わらないように感じられる。これが原因で幹そのものは太く古さも申し分ないのに、いかにも弱々しく、不安定な印象を与えてしまっているようだ。