「おかやま夢白桃」の生産安定に向けた 農業研究所の取組と対策

摘要

「おかやま夢白桃」は核割れや生理的落果が少なく，大玉で糖度が高いため，次世代フルー ッとして岡山県での栽培が奨励されている品種です。しかし，近年，樹勢低下が原因と考えら れる成熟期の早期化が問題になっています。そこで，農業研究所環境研究室並びに果樹研究室 では「おかやま夢白桃」の樹勢の評価手法を確立し，それに基づく安定生産技術を確立するため.5年間の研究課題を平成29年度から始めています。研究課題は次の3つの中課題.①「おかやま夢白桃」の樹勢を客観的に評価する指標の作成， ②樹勢低下要因の解明（所内試験，現地調査)，③樹勢管理技術の開発（所内試験，現地試験） から成ります。本稿では，中課題②及び③について.十分な研究成果は得られていませhが， 2か年で得られた成果のほか，他の課題で環境研究室，各農業普及指導センターが実施してい る県下モモ産地の実態調査の結果，そして.生産安定に向けた対策について紹介します。皆さ hと情報を共有することで，早期の対策につながることを期待します。