今月の果樹園管理 - 病害虫

摘要

先月に引き続き，越冬病害虫の密度を下げるための園内清掃，荒皮削り，マシン油乳剤の散 布などが主な管理作業となります。1)モ モマシン油乳剤の散布マシン油乳剤は樹上で越冬するカイガラムシ類.ハダ二類，サビダニ類などの成幼虫や卵に 効果があり，ブドウ以外の樹種で使用します。マシン油は虫体を被覆して窒息死させるので，薬剤抵抗性が発達しにくく，冬期の散布では天敵への影Sもほとhどありませh。昨年12月に散布していない園では今月上旬までに散布しておきましょう。ただし，樹勢が弱つている樹で は薬害が発生する恐れがあるので，散布を控えて下さい。枝幹で越冬する病害虫の除去枝上で卵越冬する害虫は.クヮォオハダニ，アブラムシ類，オビカレハ，クダマキモドキな どです。また，幹ではコスカシバの幼虫が越冬しています。コスカシバには発芽前（3月上旬） にラビキラ一乳剤200倍液を散布してもよいが，ャ二が多く出ている樹では幼虫も大きくなつ ているので，今のうちに掘り取って処分します。オビカレハは枝に帯状の卵塊を産み付けてい るので，剥ぎ取って処分します。クダマキモドキは枝に縦に傷をつけて産卵しているので，被 害枝を取り除いて処分します。また，枝のせh定跡部ゃ胴枯病の病斑の削り取り部分には塗布 剤を塗りましょう。モモ黒星病の病斑（5-15mm大の灰褐色，だ円形）が多い枝や，いぼ皮病 のため樹勢の衰弱している枝，ホモプシス腐敗病菌の越冬場所となる枯枝もせh除しましよう。 いぼ皮病は古い樹の近くに植えた苗木で発病しやすいので注意して下さい。2)プドウ荒皮の下や誘引ひもの結び目などでは，コナカィガラムシ類ゃブドウサビダニ，ホコリダニ 類，ブドウヒメハダ二などのダニ類が越冬しています。荒皮を剥ぎ取るとともに，古い誘引ひ もを処分します。昨年発生の多かった園では，この作業を徹底しておきましょう。枝の表皮下ではブドウトラカミキリの幼虫が越冬しています。芽の周辺の表皮が黒く変色し ている部分に幼虫が食入しているので，浅く削って捕殺します。とくにピオ一ネでは被害が出 やすいので注意が必要です。昨年は生育後半にベと病が目立った園がありました。罹病落葉は本病の伝染源となるので集 めて処分しましょう。また，卷きつるやせh定枝には晚腐病菌，白腐病菌などが潜伏している ので，園内に残さないようにしましょう。