椿に託す夢と未来: これからの日本ツバキ協会に望むこと

摘要

私が初めて椿と出会ったのは平成18年の2月、ふらりと立ち寄ったJR新宿 駅構内の花屋であった。可憐というよりも絢爛豪華という言葉が似つかわしい その花は、たくさhの花たちのなかにあって、ただひときわ赤く、私を強く魅 了した。「大紅」だった。値札を見ると薄給の私にも手の届きそうな値段。迷わずレ ジに向かった。帰りの電車の中、鉢上の高さ60cmにもなhなhとする椿を 誇らしげに抱え、ニコニコしながら座席に座る25歳の男を見て、ほかの乗客 たちはどう思っただろう。次の駅で隣に座った女子高生に、腕にちくちく当た る枝と葉つばを迷惑そうに払いのけられたのを、今でも鮮明に覚えている。