水耕栽培液中のNO_3~-とNH_4~+の比率が 洋種ナバナの成育と窒素代謝に及ぼす影響

摘要

ナバナはアブラナ科野菜の一種であり，三重県では抽苔前 後の若い茎葉を食用として利用する葉茎タイプの洋種ナパナ(セィヨウアブラナ，Brassica napus)の生産量が全国一である1989年に三重県園芸農産物ブランド化推進事業の指 定を受けて以来.採種と種子配布，栽培技術の普及が県下 統一的に行なわれるようになり，「三重なばな」として積極的 な産地拡大が図られてきた2).洋種ナバナはビタミン，ミネラ ル.食物繊維などを豊富に含み.食品成分データベース'"に よるとビタミンCおよびカルシウムにおいては新鮮重100 g当た りでそれぞれ110および97 mg含まれる，栄養価の高い緑 黄色野菜である.近年消費者の健康志向が高まる中で，栄 養価ゃ抗酸化力など.ナバナの品質に影響を及ぼす栽培上 の要因，特に施肥条件を明ら力>にし，さらなる収量と品質を 向上させることは，その生産振興を図る上で非常に重要である.しかしながら，洋種ナバナの施肥体系は，油料植物として のセィヨウアブラナを基本としており4',緑黄色野菜としての最 適な施肥条件を検討した例は少ない.小田原らは，洋種ナ バナの施肥条件において，窒素施与量を調査しているが，そ れ以上の詳細な情報は示されていない.