幼植物体の集団形成ダイナミクスに関する研究 -- 幼根集団の生長リズム運動に着目した個体間相互作用計測システムの開発--

摘要

作物を生産するにあたって，いかにしてその出来具合のばらつきを押さえて収量を上げるかという問題は，農業全体を取り巻く課題である“近年圃場において「精密農法」が注目を集めており，例えば個々の作物の状況に応じて局所的に施肥量を変えたり，作物の生育量に応じて選択収穫を行う等，個々の作物のばらつきに応じた可変作業を行うなどといった，「ばらつきの管理」を基軸にした技術開発が行われはじめている．また，植物工場でも「細密農業」が提言され，ばらつきに対する最適化を精密農法以上に細かく行うことを目指そうとしている．個体の生育状況にばらつきが生じるメカニズムにっいて検討する際，個体周囲を取り巻く環境の影響や個体の先天的なばらつきについて考慮することはもちろhであるが，植物体集団における各個体間同士でのインタラクションについても検討する必要があるように思われる．