植物生育を考慮した温室のエネルギーモデルによるエネルギー消費量シミュレーション

摘要

花井などの観賞用植物ではその形態的な特徴量が，市場における価値を決定する重要な要因となる“また，出荷時期も経営上の重要な因子である．温室における観賞用植物の栽培を考えた場合，冬期には植物の成育不良を避けるために，重油ボイラーやスチームヒーターを用いて温室内を加温し成育に適当な温度に維持するのが一般的である．しかし，成育に障害がない範囲で温室の設定温度を下げれば，加温に必要なコストが低減できるので，生産者は温室の設定温度を低めに設定する傾向にある．ところが，低温環境では生育速度が低下するため，出荷基準のサイズあるいは葦姿に達するまでの日数は長くなるり　 さて，加温に必要な総エネルギーは，1日当たりに必要なエネルギーと総日数の積であるから，設定温度を下げることによってエネルギーコストは低減あるいは増加しているのかを判断するには検討を要する．そこで，本研究では，1日当りの出節数と環境温度との関係と，温室エネルギーモデルを用いて，シミュレーションにより温室のエネルギー消費量を評価することを目的とする．