輸入植物から発見されたアザミウマ類［追補 III］

摘要

我が国の生植物，特に野菜及び切花の輸入量は最近10年間で急増しており，これらからの害虫発見回数が，輸入検査における全害虫発見回数に占める割合は，1989年には50％以下であったのが1999年には70％に達している（桝本ら，2000）。 また，これら生植物からの発見害虫ではアザミウマ類，アブラムシ類，カイガラムシ類等の微小害虫が特に多い。 植物防疫所では，このような微小害虫の付着状況を把握するため，1987年から全国の生植物が輸入される海，空港において輸入検査で発見された微小害虫の標本を集積し種名解明を行っている。 これまで，アザミウマ目は属まで判明したものを含め3科50属100種以上が明らかになっている（早瀬，1991；小田，早瀬，1994；桝本ら，1997）