3種くh蒸剤によるクリシギゾウムシCurculio sikkimensisの殺虫試験

摘要

クリシギゾウムシの寄生した収穫直後のくり果実を用い、リン化水素、フツ化スルフリル及びヨウ化メチルくh蒸による殺虫効果を調査した。リン化水素では、15°C、1．5g／m~3及び25°C、2．0g／m~3，収容比0．14t／m~3の条件で24時間及び48時間くh蒸した結果、殺虫率は18．0～95．2％の範囲で殺虫効果は比較的低かった。 フツ化スルフリルでは、15°C、40g／m~3、2時間、収容比0．14t／m~3の条件で98．4％の高い殺虫率を示したが、卵に対する殺虫効果が低いため25°C、40g／m~3、4時間、収容比0．14t／m~3の条件でも殺虫率は96．2％で、完全殺虫は得られなかった。ヨウ化メチルくh蒸に対する感受性は、15°C、2時間、収容比0．14t／m~3の条件で、LD_（50）値が15．0g／m~3、LD_(95)倍が32．3g／m~3であった。 卵及び若齢幼虫が寄生した果実では2時間くh蒸で50g／m~3、3時間くh蒸で40g／m~3、4時間では30g／m~3で完全殺虫が得られたが、老熟幼虫が寄生した果実では、15°C～25°C、60g／m~3、2時間、収容比0．14t／m~3の条件で、99日2％～99日9％の殺虫率で、完全殺虫は得られなかった。同時に寄生していたクリミガ及びモモノゴマダラノメイガの幼虫は、ヨウ化メチル40g／m~3、15°C、2時間の条件で完全殺虫され、クリシギゾウムシよりも感受性が高かった。