アメリカ及びメキシコ産アスパラガスから発見されたヤガ科数種

摘要

生鮮アスパラガス（Asparagus officinalis）は，成田空港で年間の輸入重量が最も多い野菜であり，2000年には年間約6，200件，全国の60％以上が当所において検査された。主な輸入先は，重量の多い順にオーストラリア，アメリカ，メキシコ，フィリピン，タイ，ニュージーランド，中国，ペルー等で，産地を交代することにより通年輸入されている。 アスパラガスの輸入検査では，アザミウマ科に次いでアブラムシ科とヤガ科の発見頻度が高い。 ヤガ科の場合は，卵や若齢幼虫で発見されることが多く，同定に必要な成虫を得るまでに長期間の飼育調査を要する。著者は，各国産アスパラガスから得られたヤガ科の飼育調査を行うとともに，得られた成虫標本の同定を行ってきた。今回は，アメリカ及びメキシコからこれまでに発見されたヤガ科の全5種について，飼育中に観察した卵や幼虫の外観上の特徴を併せて報告する。