フラーバラゾウムシPantomorus cervinus （BOHEMAN）の高温，飢餓及び乾燥への耐性

摘要

フラーバラゾウムシPantomorus cervinus は，成虫が植物の葉等の地上部を，幼虫は根や塊茎等の地下部を食害する広食性のゾウムシである（CHITTENDEN，1901；JOHNSON＆LYON，1976）。 本種は中南米原産と考えられているが（CHITTENDEN，1901），北米，ヨーロッパ，オセアニア，アフリカ等の温帯地域を中心に分布を拡大しており（ANON，1966），カンキツ類やバラ，ベゴニア，イチゴ等の害虫として知られている（CHITTENDEN，1901；ESSIG，1931；QUAYLE，1938；MAY，1979）。 我が国においては，本種を輸入禁止対象病害虫に次いで重要度が高い特定重要病害虫に指定して特にその侵入を警戒している（真崎，1982）。 また，本種は広食性であるうえに単為生殖性であるため，日本に侵入した場合には定着する可能性が高いと考えられている。